卓球ルール改正・変更〜昔のルールとの違い〜事件もあった!

 
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どんなスポーツも、時代に合わせてルールを変え、進化を続けています。

卓球においても同様で、これまでに何度もルール改正がなされてきました。その中には、現在からまったく想像できないようなものもあり、とても興味深いです。

この記事では、そんな卓球のルール改正・変更について解説します。

どうぞ最後まで、お付き合いください♪

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卓球試合形式のルール改正・変更

まず、試合形式のルール改正・変更について、解説します。

下の表のように、昔と今では試合形式が大きく異なります。

昔は、1ゲームは21点先取・3ゲームマッチ(2ゲーム先取)でした。そして、サーブは5本交代でした。

この頃、1ゲームを長く感じる観客も多く、間延び感は否めませんでした。また、どちらかの選手が大量にリードした場合、逆転することがむずかしく感じて、緊迫感のなくなる試合もありました。

そういった背景から、2001年にルールが変更され、現在は11点先取・5ゲームマッチ(3ゲーム先取)です。全国大会や国際大会など、大規模な試合のシングルスでのみ、7ゲームマッチが適用されます。

サーブは2本交代となり、スピーディーな試合展開が多く見られるようになりました。見ていてもやっていても「ハラハラ・ドキドキ感」があります。

なお、デュースになったときのルールに変更はありません。10−10(以前は20−20)以降では、サーブは1本交代となり、2点差をつけた方が勝ちとなります。

このように、試合形式のルール変更・改正がありました。

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卓球ボールのルール改正・変更

次は、ボールのルール改正・変更について、解説します。

下の表のように、ボールは大きさ・重さ・材質・色、すべてにおいて移り変わってきました。

中でも大きく改正されたのが、大きさと材質です。

昔は、直径38mm・重さ2.5gの、セルロイド製のボールでした。この頃の卓球は「派手な動きが少なく、地味で面白くない」と言われていました。

ボールの色は白色が主流で、1989年にオレンジ色が導入されました。卓球台の色も、深い緑色から青色が主流となり、カラー化が進められました。しかし、これといって大きな話題にはなりませんでした。

その後の2000年に、ボールの大きさが40mm・重さが2.7gに変更されました。これは、非常に影響力のあるルール改正でした。

大きく重くなったことで、スピードが遅くなり、回転もかかりにくくなりました。このことでラリーが続きやすくなり、卓球を見る人・やる人ともに楽しみが増えて人気が出ました。

そして、2014年にはプラスチック性のボールが登場し、2015年から使われ始め現在に至ります。プラスチックボールは、セルロイドとは違い、継ぎ目のないシームレスのものです。

また、ボールの色は、昔と同じように白色が主流です。

このように、ボールについては大きくルール改正・変更されました。

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卓球サーブのルール改正・変更

サーブのルール改正・変更には、次のようなものがあります。

・サーブのトスは16cm以上

・サーブを打つ瞬間を相手に見せる

それぞれについて、解説します。

サーブのトスは16cm以上

1987年に、サーブのトスは16cm以上あげるように、ルール改正されました。

これは、元日本代表選手の宮崎義仁さんが、サーブだけで大量に得点したことに起因するそうです。彼は強烈な回転がかかった数種類のサーブを、同じモーション(動き)から繰り出し、世界中の選手を圧倒しました。

そうした彼の一人勝ちを抑制するために、設けられたルールだという噂です。

確かに、そういった選手がいたら困りますね。苦笑

このように、ルール改正で、サーブのトスは16cm以上あげるように決められました。

サーブを打つ瞬間を相手に見せる

2002年の改正で、サーブでボールを打つ瞬間を、相手に見せるルールとなりました。

トスを上げてからボールを打つまでの間、ボールとネット両端のサポートを結ぶ「三角形」の中に、腕や体を入れてはいけないことになりました。

ちょうど、下図のようにです。

ユニフォームやダブルスパートナーの体なども、この三角形に入れてはいけません。また、実際にボールを隠さなくても、そのような動作をすると違反になります。

同時に、ボールを打つ位置は、体の後方でもOKとなりました。ただし、前述したように、トスは16cm以上ほぼ垂直に上げなければいけません。

そして、 サーブを出すときのラケットの位置は、卓球台の表面より下でもいいことになりました。

昔は、ボールを打つ瞬間を、腕や体で隠すことが常套(じょうとう)手段でしたが、それが改正された形です。

このように、サーブでボールを打つ瞬を、相手に見せるようにルール変更されました。

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卓球ラバーのルール改正・変更

過去のラバーのルール改正・変更には、次のようなものがあります。

・スポンジラバーの使用禁止

・ITTF(国際卓球連盟)のラバー公認制度

・ラバーの色は必ず赤と黒の組み合わせ

・粒高ラバーと表ラバーの規制

それぞれについて、解説します。

スポンジラバーの使用禁止

1959年には、スポンジラバーの使用が禁止となるルール改正がありました。

ラバーは、表面のゴムの部分(赤や黒)とスポンジ部分の、2層から成ります。「スポンジラバー」とは、そのスポンジ部分だけのものを言います。

昔はスポンジだけでプレーできたんですね。今では信じられません。

厚さにも制限はなく、10mmのものでは、強烈なボールを打てたようです。威力があり過ぎたため、禁止されました。

このとき同時に、厚さについても4mm以下と決められ、現在に至ります。

このようにルール変更で、スポンジラバーの使用が禁止となりました。

ITTF(国際卓球連盟)のラバー公認制度

1982年には、ITTFによるラバー公認制度がスタートしました。

「ITTF」とは、International Table Tennis Federationの略で、国際卓球連盟のことです。

これにより、ラバーにITTFのロゴ表記のあるものだけが、使用できるルールとなりました。

その後の2011年には、ラバーにITTFのロゴがあるものでも、試合時に有効とされていないものは使用不可となりました。

そして現在では、ロゴがあってもITTFが公認していないものは、使用できないルールです。

このように、ラバーはITTFの公認制度となりました。

ラバーの色は必ず赤と黒の組み合わせ

ラケットに貼るラバーの色は、必ず赤と黒の組み合わせにするように、1983年にルール変更されました。

これには、同年の世界選手権大会での、事件とも言われる出来事が大きく関係しています。この大会では、それまで無名だった蔡振華(サイ・シンカ)選手が優勝しました。

優勝できたのは、ルールの盲点をついて、同じ黒色で性質の異なるラバーを使用していたからです。これにより、どんな実力者もボールの回転の判断がつかず、ミスを連発して蔡選手に敗北しました。

このことがキッカケで、ラバーの色は異なる色にするルールができました。その後、ボールや台とも違う、判別しやすい色ということで、赤と黒に決められました。

このように、ラケットに貼るラバーの色は、必ず赤と黒の組み合わせにするルール改定となりました。

粒高ラバーと表ラバーの規制

1998年には、粒高ラバーと表ラバーが規制されるルール改定がなされました。

粒高ラバーは、表面の粒の高さが高いものです。

表ラバーは、表面が粒々のものを指します。

【写真引用元】https://www.victas.com/ja_jp/journal/item/2020/02/12-10-14

 

これらの粒形状の比率「粒の高さ÷直径」=【アスペクト比】の上限が、粒高では1.3から1.1になりました。

(現在では0.9以上1.1以下のものが粒高ラバー、0.9未満のものが表ラバー)

また2000年には、アンチ加工された粒高ラバーはITTF・JTTAでは使用が禁じられました。

アンチ加工というのは、ゴムをツルツルにして反発力と摩擦力を減らすことです。これにより、回転の変化量が爆発的に大きくなり、実力よりもラバーの性能だけで勝敗が決まることが多くありました。

高性能になり過ぎた結果、規制されたというわけです。

このように、粒高ラバーと表ラバーが規制されるルール変更がありました。

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卓球その他のルール改正・変更

その他のルール改正・変更には、次のようなものがあります。

・日本式ペンホルダーラケットについて

・補助剤や有機溶剤性接着剤の禁止

それぞれについて、解説します。

日本式ペンホルダーラケットについて

日本式ペンホルダーラケットについて、ルール改定がありました。

日本式ペンホルダーは、下図のようなラケットで、ラバーは片面だけに貼って打ちます。

前述したように、ラバーは必ず赤と黒の組み合わせにするルールが決められました。

それまでは、このラケットの裏面もラバーと同じ色で大丈夫でしたが、異なる色にしなければならなくなりました。赤色のラバーを貼ったら裏面は黒色に、もしくはその逆にします。

このように、日本式ペンホルダーラケットについても、ラバーに準じてルール変更がありました。

補助剤や有機溶剤性接着剤の禁止

2008年には、補助剤や有機溶剤性接着剤が禁止されました。

補助剤は、ラバーを貼るときに用いられるもので、性能を引き上げる効果があります。

しかし、こうした補助剤や有機溶剤性接着剤は、人体に悪影響のあるものです。実際に事故が起こったことがキッカケとなり、禁止されました。

なので、現在は補助剤や有機溶剤性接着剤は使用できません。

以上のように、補助剤や有機溶剤性接着剤が、禁止されたルール改定がありました。

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まとめ

ここまで解説したように、卓球のルール改正・変更には様々なものがあり、今日に至ります。

色々な出来事や現象が起こった結果、ルールが改正されてきたことを知ると感慨深いですね!

これからはまた、どんな変更があるのでしょうか。

最後までお読みくださり、ありがとうございました!!

あなたの卓球ライフを応援しています♪♪

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