卓球において、サーブは「1球目攻撃」と言われるほど、重要です。
その中で、近年見かけるようになったのが「YGサーブ」です。これは、ひときわ華やかな動きで、非常に威力のあるものです。
相手にプレッシャーを与えるだけでなく、得点源にもなるので、習得すれば一挙両得です。
今回は、そんなYGサーブのコツや、やり方・打ち方と合わせて、メリットや戦術なども解説します。
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YGサーブとは
YGサーブの「YG」は、ヤングジェネレーション(若い世代)の略です。1990年代に、ヨーロッパの若い世代が使っていたことが、名前の由来です。
チキータなどと同様に、2010年代から多くの選手が取り入れ始めました。なので、比較的「若い」「新しい」技術です。
世界のトップ選手の間では、標準的に使われているサーブです。
ここからは、そんなYGサーブの特徴を解説します。
YGサーブの回転
まず、YGサーブの回転について解説します。
回転は逆回転(左回転・反時計回り)で、下図のように、相手のラケットに当たると左側(自分の右側)に飛びます。
バックサーブや巻き込みサーブと、同様の回転です。しかし、それらよりも手首を大きく使って打つので、強い回転がかかります。
独特の打ち方
YGサーブでは、フォアサーブの構えから、手首を一旦内側にしっかり曲げて、そこから元に戻す動きを利用して回転をかけます。
独特な出し方・打ち方なので、やらない選手も多いです。同じ逆回転なら、巻き込みサーブを使う人が多数派です。
難易度が高め
YGサーブは、他の逆回転系サーブに比べて難易度が高めです。なぜなら、スイングが独特で打つのがむずかしいからです。
前述したように、巻き込みサーブやバックサーブと比較すると、使っている人は少ないです。そのため、YGサーブのレシーブに慣れていない選手が多いことも、事実です。
このように、YGサーブは難易度が高く使っている人が少ないので、使いこなせれば有利です。
どんな人におすすめ?
YGサーブがおすすめなのは、フォアハンド主体の人です。フォアハンド主体とは、バンクハンドよりも、フォアハンドが得意な人を指します。3球目を、ドライブやスマッシュで狙うスタイルの人が、これに該当します。
なぜなら、YGサーブはフォアに返球されやすいからです。
逆横回転は、前述した通り、ラケットに当たると左に飛びます。ゆえに、自分のフォア側に返球されやすいです。
フォアハンドで3球目攻撃をしやすいので、おすすめです。
また、手首がやわらかい人にもおすすめです。なぜなら、YGサーブは手首を大きく曲げてスイングをするものだからです。
ただ、今は手首がかたい人も、YGサーブに取り組むことでやわらかくできます。手首のストレッチ・トレーニングがてら、練習してみるのもいいでしょう。
このように、YGサーブはフォアハンド主体の人や、手首がやわらかい人におすすめです。
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YGサーブの6つのメリット
続いて、YGサーブのメリットを6つ、紹介します。
回転の種類が相手にわかりにくい
1つ目のメリットは、回転の種類が相手にわかりにくいことです。これは、どの回転でもラケットの角度があまり変わらないからです。
特に、上回転と下回転の判別がしにくいです。これは、レシーバーにとってとてもツラいものです。
左右の回転の見極めができなくても、台の真ん中を狙えば返球できることもあります。しかし、上下の回転を判別できない場合、そうはいきません。ネットミス、もしくは浮いてチャンスボールになってしまいます。
このように、上下の回転がわかりにくいことが、YGサーブのメリットです。
サーブの長さがわかりにくい
2つ目のメリットは、サーブの長さが相手にわかりにくいことです。スイングが速いサーブは、打つ瞬間が見えにくいからです。
YGサーブは、手首から先を素速く動かして打つため、スイングがコンパクトで短時間です。
ゆえに、回転の種類に加えて長さもわかりにくいことが、YGサーブのメリットの1つです。
強烈な回転をかけることが可能
3つ目のメリットは、強烈な回転をかけられることです。これは、他の逆横回転系のサーブよりも、手首を使いやすいからです。
強烈な回転をかけることで、相手のレシーブを限定できます。これにより、打ち方や返球されるコースを予測して待てます。なので、3球目攻撃につなげやすいです。
このように、他のサーブにはない強烈な回転をかけられることも、YGサーブのメリットです。
長く返球されやすい
4つ目のメリットは、長く甘いコースに返球されやすいことです。これを、ドライブやスマッシュで打って、先手を取りやすくなります。
YGサーブには、強烈な回転がかかっています。ゆえに、相手はコントロールがむずかしく、返球を第一に考えてレシーブしてきます。すると、必然的に長さやコースは甘くなるのです。
このように、長く甘い返球を誘いやすいのも、YGサーブのメリットです。
フォア側に返球されやすい
5つ目のメリットは、フォア側に返球されやすいことです。
YGサーブには、逆回転がかかっています。これが相手のラケットに当たると、右(自分のフォア側)に飛びやすくなります。ゆえに、3球目をドライブやスマッシュで狙いやすいのです。
このように、フォア側に返球されやすいことも、YGサーブのメリットです。
サービスエースが狙える
6つ目のメリットは、サービスエース(サーブで得点すること)が狙えることです。
理由は、回転の種類・長さがわかりにくく、強烈な回転で威力があるからです。
また、YGサーブをする人は少ないので、これのレシーブに慣れていない人も多いです。威力があり、とても難易度が高いです。回転に逆らってレシーブをしようとすると、ミスをしやすくなります。
このように、サービスエースを狙えることも、YGサーブのメリットの1つです。
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YGサーブのデメリット
YGサーブのデメリットは、その回転の種類やコースが、ある程度限定されてしまうことです。これにより、相手に読まれやすくなります。
まず、YGサーブはスイングを途中で変えられません。巻き込みサーブは、打つ直前に変えて、順回転サーブにできます。しかし、YGサーブは独特のスイングフォームゆえに、それができません。
加えて、スピードの速いロングサーブを出すことがむずかしいです。手首を中心に使うため、腕の力を十分に使えないからです。
また、コースも相手のバック側に出すほうが簡単で、フォア側がむずかしいです。これは、高い精度が必要だからです。
バウンドの高いボールや、回転の弱いYGサーブをフォア側に出してしまうと、ドライブやスマッシュで強打される可能性が高くなります。ゆえに、バック側に出すほうがリスクが少ないです。
以上のことから、YGサーブの構えに入った瞬間、たいてい「バック前に、短い逆回転」と相手に読まれやすくなります。
このように、YGサーブのデメリットは、回転の種類やコースが限定されてしまうことです。
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YGサーブのやり方・打ち方
次に、YGサーブのやり方や打ち方を解説します。
ラケットの握り方、構え方
最初に、ラケットの握り方です。下の写真のように、人差し指と親指で挟み込むようにラケットを握ります。
構えでは、あらかじめ手首を内側に30°ほど曲げておくと、スイングがやりやすいです。加えて、握り拳が余裕で入るくらい、脇を開けておくとよりスムーズになります。
下の写真の赤色部分のように、ラケットの先端はやや前方(相手)方向に向けます。
回転のかけ方
次に、回転のかけ方です。ここが、YGサーブで最も特徴的なところです。
ボールをトスするタイミングで、さらに脇を開いて肘を大きく突き出します。ちょうど、志村けんさんの「アイーン」のポーズのイメージです。
このとき、肘が低い位置にあると、バックスイングができません。手首・ラケットよりも高い位置にすることが、コツです。
こうしてできた脇の空間に、ラケットを入れるようにバックスイングをします。同時に、手首を最大限まで内側に曲げます。
この手首の曲げ具合で、回転量が決まります。できるだけ内側に、ラケットの先端が自分のほうに向くくらい、目一杯曲げましょう。
そして、曲げた手首を思い切り戻し、解放します。このスイングでボールを打球し、逆横回転をかけます。
スイングと同時に、手首の力もボールに加えてください。複雑な動きですが、力を入れるのはボールを打つ瞬間だけ、です。
ボールを捉える位置・スイングの方向
YGサーブで、ボールを捉える位置とスイングの方向は、回転によって異なります。
逆横上回転
逆横上回転は、下図のように、ボールの右(後ろ)もしくは右斜め後ろを捉えます。
スイングは、エンドラインに沿った方向にします。手首を跳ね上げて、ラケットの先端が右を向くようにします。そして、体から離れるように外側に振ります。
ちょうど、下図のようにです。
逆横下回転
逆横下回転は、下図のように、ボールの底(下)を捉えます。姿勢を低くするのが、コツです。また、打球面をできるだけ水平にするのもポイントです。
スイングの方向は、前方(相手のほう)にします。打つ瞬間に、右足を前に出して、体を正面(台のほう)に向けるとやりやすいです。ちょうど、下図のようにです。
逆横回転
逆横回転は、下図のように、ボールの右側を捉えます。
スイングは、ラケットの先端を跳ね上げて、前方向に振ります。前述したように、体を正面に向けるとやりやすいです。
ロングサーブのやり方・打ち方
次に、YGサーブでロングサーブを出すやり方について解説します。ラケットの先端を下にして面を立て、ボールの真後ろをとらえます。勢いよく前に飛ばすように打ちましょう。
下図のように、1バウンド目が、台の端ギリギリになるように打つといいです。ロングサーブは、とにかく第一バウンドが大切です。
ボールを台に叩きつけるイメージで、打ちましょう。
YGサーブは逆横下回転から練習する
YGサーブは、逆横下回転から練習しましょう。なぜなら、試合での使用頻度が一番高いからです。
低い弾道で、強い回転をかけられるようにします。これにより、相手に「下回転系が強くかかっている」というイメージを与えられます。
私の経験上、YGサーブを出された相手は、フリックではらってくるケースが多いです。このときに、横下回転が強くかかっていれば、次回からはツッツキでレシーブしてきます。相手に強気でレシーブさせないために、下回転系が強くかかっていることが大事です。
試合で使える一番使えるYGサーブは、逆横下回転です。
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YGサーブがうまくいかないときは
ここでは、YGサーブがうまくいかないときの対処法を紹介します。
YGサーブで空振りをしてしまうとき
YGサーブで、空振りをしてしまうことはよくあります。スイングが独特で複雑ゆえに、ラケットにボールを当てることが難しいからです。
そんなときは、台に対して横向きではなく、正面を向いて練習するのがおすすめです。
正面を向いて、ラケットを左から右へスイングして打球します。肘の位置が下がらないように、気をつけてください。
まずは、ラケットにボールを当てる感覚をつかみます。次に、ボールをラバーに食い込ませて、回転をかける感覚をつかみます。慣れてきたら、徐々に体を横向きにしていきます。
この方法では、逆横上回転からトライすると、やりやすいです。
このように、空振りをしてしまう場合は、正面を向いて逆横上回転サーブから出す練習からしてみてください。段階を経て、習得しましょう。
ボールが高くバウンドしてしまうとき
YGサーブでは、ボールが高くバウンドしてしまうことがあります。このときは、なるべく姿勢を低くして、できるだけ低い位置で打つといいです。
強い回転のサーブほど、バウンドしやすい傾向にあります。特に逆横・逆横上回転は、注意が必要です。
逆横下回転も、バウンドが高くなってしまうと威力が半減します。できるだけ台に近い高さでボールを打ち、低い弾道になるようにします。
このように、サーブでボールが高くバウンドしてしまうときは、できるだけ低い位置や姿勢で打ちましょう。
あまり回転がかからない・安定しないとき
YGサーブで、あまり回転がかからない・安定しないときは、体の近くで打つようにしましょう。
なぜなら、体の近くで打ったほうが、力が加わりやすいからです。また、体全体を使って打つことも大事です。
そうすると、インパクト(打つ瞬間)は自ずと右腰あたりになります。タイミングも安定するので、空振り改善にもなります。
このように、YGサーブで、あまり回転がかからない・安定しないときは、右腰あたりで打つことを意識してみてください。
ラケットの持ち方を変えてみる
YGサーブをうまく出せないときは、ラケットの持ち方を変えてみるのも一つです。そのときだけ、他のサーブとは違う持ち方をするのです。
例えば、前方向にスイングする場合は、下の写真のような握り方がおすすめです。
人差し指が、ラケットの曲線に沿うように持ちます。中指・薬指・小指は、軽くまるめて握ります。こうすることで、手首を大きく曲げることができ、スイングも速くなります。
また、エンドラインに平行にスイングする場合は、下の写真のような握り方がおすすめです。
先ほどと同様に、人差し指がラケットの曲線に沿うように持ちます。そして中指もラバーに当て、「ピース」をするような形にします。薬指と小指は、軽くまるめます。
このように、Y Gサーブがうまく出せないときは、ラケットの持ち方を変えてみるといいです。
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YGサーブを使った有効な戦術
最後に、YGサーブを使った有効な戦術を2つ、紹介します。
逆横下回転YGサーブを、フォア前に出す場合の戦術
1つ目に、相手のフォア前に、逆横下回転のYGサーブを出す場合の戦術を解説します。このとき、レシーブ範囲をフォア寄りに想定し、3球目をフォアハンドドライブで振り抜くことが有効です。
逆横回転であるYGサーブは、自分のフォア側に返球されやすいです。なぜなら、回転に逆らうバックへの返球は、ミスの可能性が高くなると相手が考えるからです。
それに、フォア前にとっさにサーブ出すと、クロスコースに返球されやすい性質もあります。これは、ストレートよりも距離が長く、ミスしにくいと相手が考えるためです。
このため、相手がレシーブで返球してくる範囲は、下図の赤い部分になる可能性が高いです。
もしバック側に返球されたとしても、回転の影響で厳しいコースにはなりません。
以上のことから、レシーブの範囲をフォア寄りに想定し、3球目をフォアハンドドライブで振り抜く戦術が効果的です。
逆横下回転YGサーブをバックに出す場合の戦術
2つ目は、相手のバックに、逆横下回転のYGサーブを出す場合の戦術を解説します。このとき、相手の返球範囲をミドル〜バック寄りと想定し、3球目で回り込んでドライブする戦術が有効です。
相手のバックにYGサーブを出した場合、回転の影響を相殺するように、真ん中からややバックを狙ってくる可能性が高いです。
よって相手がレシーブで返球してくる範囲は、下図の赤い部分になる可能性が高いです。
これを狙い、3球目を回り込んでドライブする戦術です。相手のミドルに打って、5球目でフォアまたはバックを攻めるといいです。
もしくは、3球目をシュートドライブ(右に曲がるドライブ)でバックに打って、5球目でフォアを攻めるのもアリです。
このように、相手のバックに逆横下回転のY Gサーブを出す場合、相手の返球範囲をミドル〜バック寄りと想定し、3球目で回り込んでドライブする戦術が有効です。
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まとめ
ここまで解説したように、YGサーブは難易度の高い、威力のあるものです。
習得には時間が必要ですが、マスターすれば大きな武器になります。試合で大きな得点源となり、相手にプレッシャーを与えることができます。
チキータが得意な方や、手首がやわからかい方は、ぜひ挑戦してみてくださいね!
最後までお読み下さり、ありがとうございました!!
あなたの卓球ライフを応援しています♪♪
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