卓球には、色々な戦型があります。中でも「カットマン」は唯一、守備がメインのプレースタイルです。
そんなカットマンと戦うにあたり、必須になる技術が「カット打ち」です。他にも、攻め方や戦術を知っているのとそうでないのでは雲泥の差の、カットマン対策があります。
今回は、そんなカット打ちのコツや、ドライブでの打ち方・返し方、カットマン対策の基本などを解説します。
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もくじ
卓球カットマンとは
卓球の「カットマン」とは、守備型のプレースタイル、もしくはその選手のことを指します。
台から2m以上離れた後陣から、「カット」という特有の技術で、ボールに強い下回転をかけて返球してきます。そうして、こちらのミスを誘って得点につなげようとします。
上回転のドライブなども、すべて下回転にして返してきます。レベルが上がるにつれて、これに横回転を入れたり、ナックル(無回転)ボールを繰り出したりもしてきます。
また、ボールの長さ・速さなども自在にコントロールして、こちらを翻弄してきます。
基本的には守備を徹底していますが、チャンスのときには攻撃を仕掛けてくるので、油断は禁物です。
このように、カットマンとは守備型のプレースタイルで、そのスタイルや選手のことを指します。
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卓球カットマンが使用しているラバーについて
カットマンは、使用するラバーによって、繰り出すボールの球質が異なります。
主に、下記の3種類があります。
・裏ラバー
・粒高ラバー
・表ラバー
カット打ちをする際にも大きく影響するので、それぞれ解説します。
裏ラバーでのカットの特徴
裏ラバーでのカットの特徴は、回転量が一番多いことです。また、安定性もあります。
ボールがラバーに引っかかるので、こちらが打ったドライブの回転を利用して、強い下回転をかけてきます。
また、同じフォームから、下回転とナックルボールを繰り出すことができます。
このように、裏ラバーでのカットは回転量が最も多く、安定性もあることが特徴です。
粒高ラバーでのカットの特徴
粒高ラバーでのカットの特徴は、安定して下回転をかけられることです。
ボールを打つときに、高さのある粒が変形することで、自動的に上回転を下回転にしてきます。なので、軽く振るだけで簡単に返球してきます。
しかし、こちらが打ったボールの回転量に依存するので、自ら変化をつけてくることはむずかしいです。
このように、安定的に下回転を繰り出してくることが、粒高ラバーでのカットの特徴です。
表ラバーでのカットの特徴
表ラバーでのカットの特徴は、自由自在に回転量を調整してくることです。
強い下回転にしたり、ナックルにしたりと、コントロールをしてきます。スイングでは変化の見分けがつかないので、ボールの軌道で見分けなければなりません。
このように、自由自在な回転量でカットしてくることが、表ラバーでのカットの特徴です。
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卓球カット打ちとは
「カット打ち」とは、カットマンが繰り出す下回転やナックルのボールを、ドライブで打つことです。これは、カットの代表的な返し方です。
3球目攻撃で打つ攻撃的なドライブとは違い、ラリーをつなぐものです。なので、確実に何度も相手コートに返球できる、安定性が必要になります。
ゆえに、カット打ちは6〜7割の力で打ちます。
これの目的は、相手を揺さぶってチャンスボールを作ることです。ループドライブに近いボールでつなぎ、攻撃の機会を伺います。
このように、カット打ちとは、下回転やナックルのボールを、ドライブでつなぐように打つことです。
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卓球カット打ちのコツ、ドライブの打ち方・返し方
ここでは、カット打ちのコツや、ドライブでの返し方・打ち方について解説します。
カットマンが打つボールは、スピードが遅いです。これにつられて、自分自身の動きまで遅くならないよう、気をつけましょう。
台から距離を取らない
まず、カット打ちでは、台から距離を取らないことが打ち方のコツです。
なぜなら、カットマンのボールは、こちらに向かってあまり飛んでこないからです。
下図のように、下回転やナックルのボールは、バウンド後に減速します。
台から距離を取っていると、これに対応できません。この状態だと、カットマンに揺さぶられてしまいます。
よって、台から距離を取らないことが、カット打ちのコツです。
頂点を少し過ぎたところを打つ
次に、カット打ちでは、頂点を少し過ぎたところを打ちます。これは、しっかりとボールを引きつけて打つためです。
図にすると、以下のようになります。
カット打ちでは、強いボールを打つことよりも、確実に返球できることが大事です。なので、しっかりと引きつけましょう。
このように、頂点を少し過ぎたところを打つことが、カットの返し方のコツです。
ボールを薄く捉える
カット打ちでは、ボールを薄く捉えることが、打ち方のコツの一つです。
これは、下回転の影響を受けにくくするためです。
スポンジまで食い込ませるのではなく、表面のシートだけで打つイメージでドライブをします。
厚く捉えて打つと、相手ボールの影響を、強く受けてしまいます。その結果、ネットミスをしてしまうのです。
カット打ちは、つなぐことが目的です。薄く捉えて打つことで、確実に返球します。
ナックルボールを打つときは、これに加えて、ラケットの角度を被せ気味にしましょう。
このように、ボールを薄く捉えることが、カットの返し方のコツです。
スイングは「持ち上げるように」下から上へ
カット打ちでは、ボールを「持ち上げるように」下から上方向へスイングします。
これは、カットマンの強い下回転のボールに、負けないようにするためです。
強烈な下回転のボールは、ラケットに当たると、強い力で下方向に飛ぼうとします。これを、カット打ちで、上前方向に飛ばさなければなりません。
なので、「持ち上げる」ように、上方向にスイングすることがコツです。
バックスイングは、下方向・右膝のほうにとります。振り終わりは、右耳の横あたりにラケットが来るようにします。
このように、スイングは「持ち上げるように」下から上へ振ることが、カットの返し方のコツです。
逆足で打つ
カット打ちでは、逆足で打つこともコツの一つです。逆足とは、足の前後のポジションを、通常とは反対にすることです。
これにより、カット打ちでの空振りが少なくなります。
カットマンが繰り出すボールは、下回転またはナックルです。バウンド後に減速するので、距離感が狂いやすいです。逆足で打つことで、これに対処できます。
通常、フォアハンドを打つときは、左足が前です。しかし、これを右足前、もしくは平行にして打ちます。こうすることで、打球点がブレにくく、無駄な動きも少なくなります。
カットのコースがわかったタイミングで、ボールの軌道の延長線上に、右足を出します。そして打球したら、すぐに元に戻しましょう。
このように、カット打ちのコツの一つに、逆足で打つことがあります。
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卓球カット打ちをせず、ツッツキで返したほうがいいとき
カットマンとの対戦では、必ずしもカット打ちが適切とは限りません。ツッツキで返したほうがいいときもあります。それは、以下のような場合です。
・非常に強い下回転のボール
・エンドライン近くの、深いボール
・ネットの高さスレスレの低いボール
・体勢が崩れているとき/準備が不十分なとき
・自信がないとき
それぞれについて、ここから詳しく解説していきます。
非常に強い下回転のボール
非常に強い下回転のボールは、ツッツキで返しましょう。
ドライブで持ち上げるように打っても、ネットミスをしそうだと感じるボールもあります。これほどの強烈な下回転なら、無理をすることはありません。
強打するボールを選ぶように、カット打ちでドライブをするボールも、しっかり選びます。
このように、非常に強い下回転のボールは、ツッツキで返すほうが賢明です。
エンドライン近くの深いボール
エンドライン近くの、深い(長い)ボールも、ツッツキで返したほうがいい場合があります。
なぜなら、こうしたものはカット打ちをしにくいからです。体とボールとの距離が詰まってしまい、ミスの可能性が増えます。
カットマンは、この深いところをジャンジャン狙って、カットしてきます。距離感が十分に調整できないときは、ツッツキでつなぎましょう。
このように、エンドライン近くの深いボールも、ツッツキで返したほうがいい場合があります。
ネットの高さスレスレの低いボール
カット打ちをせず、ツッツキで返したほうがいいケースに、ネットの高さスレスレの低いボールがあります。
この理由は、ネットミスをしやすいからです。
高さがないことに、下回転がかかっていることも相まって、より一層カット打ちをすることがむずかしいです。
よって、ネットの高さスレスレの低いボールは、ツッツキで返球しましょう。
体勢が崩れているとき・準備が不十分なとき
体勢が崩れているときや、準備が不十分なときも、カット打ちをせずにツッツキで返すほうが賢明です。
なぜなら、ミスをしやすくなったり、相手のチャンスボールになってしまったりするからです。
疲労から動きが鈍くなって、次の打球に間に合わないこともあります。そんなときは無理をせず、立て直すためにも、ツッツキをしましょう。
「相手は守備専門だから、少しくらいは大丈夫だろう…」と甘いボールを打つと、痛い目を見ることもあります。
以上のように、体勢が崩れているときや準備が不十分なときも、ツッツキで返しましょう。
自信がないとき
前述したもの以外にも、カット打ちをする自信がないときは、ツッツキをしましょう。
例えば、相手の回転量を判断しきれなかったときや、体力が持たないときです。カット打ちでは、我慢強くラリーすることが大事です。先を急がず、チャンスが来るまで待ちましょう。
このように、自信がないときもツッツキで凌ぎます。
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卓球カットマン対策
ここからは、カットマン対策の基本を解説します。どれも大切なので、しっかり頭に入れておいてください。
・前後左右に揺さぶる
・ボールのスピードに緩急をつけて打つ
・強打は連続して3本以上打たない
それぞれについて、ここから詳しく解説していきます。
前後左右に揺さぶる
カットマン対策では、前後左右に揺さぶることが基本です。
大きく動かすことで揺さぶり、攻撃のチャンスを作り出すためです。
カットマンは、守備のプロです。簡単に打ち抜けることは、ほとんどないです。なので、体勢が崩れた頃合いで、強打して得点を狙います。
まず、カット打ちとツッツキで、相手を前後に揺さぶります。交互に打つ、もしくはカット打ちでドライブを2本打ったらツッツキを1本打つなど、どちらかに極端に偏らないようにします。
これに加えて、コースもランダムになるように振り分けましょう。
同じようなパターンになると、相手に慣れられてしまうので、気をつけてください。
このように、前後左右に揺さぶることが、カットマン対策の基本です。
ボールのスピードに緩急をつけて打つ
カットマン対策では、ボールのスピードに緩急をつけることが大事です。
これにより、攻撃のチャンスを作り出します。
前述した、前後左右への揺さぶりに加えて、ボールのスピードに緩急をつけます。
・カット打ち→スピードの速いものと遅いものを混ぜる
・ツッツキでは速く鋭いものとストップを混ぜる
こうすることで、相手の体勢が崩れるのが早くなります。タイミングでも、相手を揺さぶりましょう。
このように、ボールのスピードに緩急をつけることが、カットマン対策の基本です。
強打は連続して3本以上打たない
カットマン対策では、強打は連続して3本以上打たないことが、セオリーです。これは、ミスのリスクが高くなるからです。
連続して強打をすると、疲労が激しく、打つたびに精度が落ちます。労力を使って失点するのは、まったくもって得策ではありません。
なので、3本目の強打でも得点できなかったときは、ムキにならず攻撃をいったん諦めます。ツッツキとカット打ちでつないで、チャンスを作るところから始めてください。
カットマンに「打たされる」ことがないよう、冷静に判断しましょう。相手と同様に、粘り強く戦わないといけません。
このように、強打は連続して3本以上打たないことが、カットマン対策のセオリーです。
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卓球カットマンに有効な戦術4パターン
最後に、カットマンに対して、有効な戦術を4パターン紹介します。
・ナックルドライブを混ぜる
・強打と見せかけて、ストップ
・弱点のミドルコースを攻める
・カーブドライブでフォアサイドへ寄せる
それぞれについて、ここから詳しく解説していきます。
ナックルドライブを混ぜる
カットマンに有効な戦術は、ナックルドライブを混ぜることです。
これにより、ドライブの回転量の差を大きくすることができるからです。
しっかり回転をかけたカット打ちや強打の中に、無回転のナックルドライブを混ぜます。同じようなフォームで打てると、より効果的に相手を翻弄できます。相手のカットと同様に、こちらも回転量に変化をつけて、ミスを誘いましょう。
このように、ナックルドライブを混ぜることが、カットマンに有効な戦術の一つです。
強打と見せかけて、ストップ
カットマンに有効なのは、強打と見せかけてストップをする戦術です。
もともとカットマンは、台から距離を取ってプレーしています。強打されると思うと、さらに後ろへ下がろうとするので、その心理を利用します。
フェイントで強打をするポーズ(実際にバックスイング)をとり、そこから動きを切り替えて、ストップをします。
意表を突かれた相手は、間に合わずに失点するか、返球できてもチャンスボールになるかのどちらかです。
このように、強打と見せかけてストップをする戦術も、カットマンに有効です。
弱点のミドルコースを攻める
カットマンに有効な戦術の一つに、ミドルコースを攻めるものがあります。
カットマンにとって、フォア・バックハンドでのカットは、大きくスイングができるので打ちやすいです。
しかし、ミドルは体が詰まってしまい、むずかしいところです。まさに、弱点と言えるコースです。
カット打ちをミドルコースに打ち、ツッツキはランダムに散らします。これを繰り返し、相手がミドルへ来るカット打ちに気を取られ出したら、フォアまたはバックサイドに強打します。
このように、カットマンの弱点・ミドルコースを攻める戦術が、有効です。
カーブドライブでフォアサイドへ寄せる
カットマンに有効なものに、カーブドライブで相手をフォアサイドへ寄せる戦術があります。
このときのカーブドライブは、ループ系のスピードの遅いもので構いません。ただし、バウンドが高過ぎると、打たれてしまうので気をつけてください。
間に挟むツッツキは、ランダムコースに打ちます。
そして、チャンスボールや強打を、相手のバックサイドに打ちます。これは、スピードの速いドライブやスマッシュを打ってください。 クロスコースに比べて、距離の短いストレートへ速いボールを打って、緩急をつけます。
カット打ちでは単にコースを散らすのではなく、効果的に相手を動かして、得点を狙いましょう。
このように、カーブドライブでフォアサイドへ寄せることも、有効な戦術の一つです。
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まとめ
ここまで、カット打ちのコツやカットの打ち方・返し方、カットマン対策などについて、解説しました。
カット打ちの習得には、練習量も必要です。力加減やラケットの角度、必要な筋力や持久力などが、攻撃的なドライブとは異なります。なので、確実に身につくまで、根気強く取り組みましょう。
また、カットマンと対戦するときは、気長に粘り強く戦うことを覚悟してくださいね。
最後までお読みくださり、ありがとうございました!!
あなたの卓球ライフを応援しています♪♪
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