卓球において、一番むずかしい技術は、ブロックです。威力のあるボールを凌いで、ラリーを続けるのは、簡単なことではありません。
しかし、これができず「相手に打たれると、必ず失点してしまう」と悩んでいる人は、実に多いです。私もこういった時期があり、かなり苦しみました。
今回は、そんなバックブロックについて、コツや練習方法などを解説します。
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卓球ブロックができることのメリット
まず、ブロックができると、どんなメリットがあるのかを解説します。
これは、以下の2つです。
・安定した試合運びができるようになる。
・練習の質が上がり、上達が早くなる
それぞれについて、ここから詳しく解説していきます。
安定した試合運びができるようになる
ブロックができると、安定した試合運びができるようになります。
なぜなら、ブロックは必要不可欠な技術だからです。
強打されたときに、ブロックができないと失点する可能性が高いです。それでは、勝つどころか、試合の流れを引き寄せることもむずかしくなります。
フォアハンドでは、「ハッタリをかまして強く打つ」といったごまかしができます。しかし、バックハンドでは強く打てないので、これができません。
よって、バックブロックは、確実にできるようになりましょう。相手を振り回して、得点につなげたり、反撃のチャンスを作ったりできるのが理想です。
このように、打たれてすぐ失点するのはなく、凌いでラリーを続けられると、試合運びが安定します。
練習の質が上がり、上達が早くなる
また、ブロックができると、練習の質が上がります。そして、上達のスピードも早くなります。
これができないと、相手が強打をしたタイミングで、ラリーが止まってしまうからです。これでは、数を打てません。加えて、その先の戦術の組み立てもできなくなります。
ゆえに、ブロックがきちんとできれば、自ずと練習量が増えます。そして、ラリーの中で訓練されることも多いので、上達のスピードが早くなります。
以上のように、ブロックができると試合運びが安定し、上達が早くなります。
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卓球 バックブロックの12個のコツ
次に、バックブロックの12個のコツを、お伝えします。
・スマッシュを怖がらない
・前傾姿勢
・ラケットを台より高い位置に準備しておく
・手よりも先に足を動かす
・腕を伸ばさない
・バックスインをとらない
・コンパクトなスイングで、威力を吸収するように
・ラケットの先端を上に向ける
・頂点前を打つ
・ドライブに対しては、回転量に応じてラケットの角度を調整
・打球面の角度を変えない
・フリーハンドでバランスをとる
それぞれについて、ここから詳しく解説していきます。
スマッシュを怖がらない
ブロックのコツは、スマッシュを怖がらないことです。これは、非常に重要なことです。恐怖心があると、ブロックができないからです。
スマッシュは、最も威力のあるボールです。相手は得点しようと、全力で打ってきます。それを受けて、ブロックをするのはとても怖いです。
人の体は、本能的に危険を避けようとするので、恐怖を感じるのは正常なことです。
しかし、そう言って怖がっていると、体勢が崩れてしまいます。例えば、体がのけぞったり、腰を引いてしまったりします。こうなると、ブロックのフォームが崩れて、スマッシュの威力に負けてしまいます。
また、怖くないと思っていても、体が無意識に反応してしまうことがあります。これは、慣れることと、冷静に対処することで克服できます。参考に、私が恐怖心を克服できた考え方を、紹介します。
自宅のテレビで、あなたが野球中継を見ているとします。そこではプロ野球選手が、バッターボックスに向かって、豪速球を投げ込んでいます。
キャッチャー目線の映像で、それを見たときに「うわっ!危ないっっ」とは思わず、平然と見ていられるはずです。つまり、俯瞰(ふかん)して、客観的に捉えているのです。
これと同様のことを、ブロックのときに実践するのです。実際には、ボールが顔や体に当たることもあります。でも、卓球のボールは野球と違って、どんなに威力のあるものが当たっても死にません。
このように、スマッシュを怖がらないことが、ブロックのコツです。恐怖心を克服する練習方法については、後述します。
前傾姿勢
ブロックのコツは、前傾姿勢をとることです。膝を軽く曲げ、つま先のほうに体重をのせて、上体を前傾させます。
この姿勢を保つことで、ボールを近くで見て打つことができます。なので、精度が上がります。また、足を早く出して移動できるので、ブロックの安定化につながります。
卓球では、左右に反復横跳びをする動きと、足を一歩前後に出す動きがほとんどです。姿勢を低くすることで、これらを素早く行えます。
相手の強打をブロックするまでの時間は、0.2秒とも言われています。低い前傾姿勢をとり、素早く打球点まで動くことが、非常に重要です。
このように、前傾姿勢をとることが、バックブロックのコツです。
ラケットを台より高い位置にして準備しておく
ブロックのコツは、ラケットを台よりも高い位置にして、準備しておくことです。
これにより、打球点まで早く移動できます。また、ラケットの移動距離が少ないので、ブレにくいです。
ラケットは体の前の、高い位置にキープするのが、基本です。
脇をあけて肘を体から離し、ラケットを胸の前あたりに高く構えます。ブロックでは、ラケットの位置が低いと、ドライブの威力を思うように抑えられません。打球面は、軽くかぶせておきます。こうして打球点に近い位置に、ラケットを準備しておきましょう。
このように、ラケットを台よりも高い位置にして、準備しておくことがバックブロックのコツです。
手よりも先に足を動かす
ブロックのコツは、手よりも先に、足を動かすことです。これにより、手だけで打つことを防げます。
ラケットでボールを打つので、どうしても手に意識が集中し、先に動いてしまいます。これだと、相手ボールの威力に負けていまいます。また、打球も不安定になります。
手だけで打つことを「手打ち」と言い、初心者に多いです。
これを防ぐためにも、足から動かすことを意識し、体全体を使って移動します。足が動けば手も自然についてくるので、心配することはありません。
このように、手よりも先に足を動かすことが、バックブロックのコツです。
腕を伸ばさない
ブロックのコツは、腕を伸ばさないことです。
なぜなら、腕を伸ばした状態で打つと、打球が不安定になるからです。
手打ちは、ダメです。腕を適度に曲げて、リラックスした状態で打ちましょう。バックブロックをするときの、肘の角度の目安は100°くらいです。
そしてこれは、前述した、手よりも先に足を動かすことにも通じます。足から動かして、腕が伸びることのないように、気をつけてください。
このように、腕を伸ばさないことが、バックブロックのコツです。
バックスイングをとらない
ブロックのコツは、バックスイングをとらないことです。
なぜなら、ブロックは、相手ボールの威力を利用して返球するからです。そのため、バックスイングはほとんど必要ありません。
また、大きくとってしまうと、コントロールがむずかしくなります。その結果、オーバーミスをしてしまいます。ブロックでは、あまりラケットを動かしません。
このように、バックスイングをとらないことが、バックブロックのコツです。
コンパクトなスイングで、威力を吸収するように
ブロックのコツは、コンパクトなスイングで、相手ボールの威力を吸収するように打つことです。
この理由は、前述したように、相手ボールの威力を利用して返球するからです。
なので、こちらがボールに加える力は、最小限にします。スイングは後ろから前に、極力小さく振ります。そして、ラケットをボールに押すように当てます。飛ぶ方向を変えてあげる、くらいのイメージです。
強烈な威力のスマッシュをブロックするときは、ラケットを上方向に流すようにします。ドライブのときは、手首をやわらかく使って「撫でるように当てる」「威力を吸収するように打つ」ような感覚です。
ラケットを大きく動かすと、ボールと衝突してしまい、思うようにブロックできません。
ゆえに、コンパクトなスイングで、威力を吸収するように打つことが、バックブロックのコツです。
ラケットの先端を上に向ける
ブロックのコツは、ラケットの先端を上に向けることです。これにより、上に飛ぼうとするボールを、抑えやすくなります。
なぜなら、相手ボールに押されにくくなるからです。よって、安定してブロックができます。
これは、回転量の多いループドライブに対しても、有効です。
ドライブには、強い上回転がかかっています。なので、バウンドすると上方向に跳ね上がります。
そこで、ラケットの先端を上に向けた状態でブロックをすると、これを抑えやすいです。
このように、ラケットの先端を上に向けることが、バックブロックのコツです。
頂点前を打つ
ブロックのコツは、頂点前を打つことです。なので、自陣コートでのバウンド直後を、狙います。
なぜなら、頂点を過ぎると、回転の影響が大きくなるからです。
特に、ドライブはバウンド後に威力が増します。相手の回転の影響の少ない、頂点前でブロックするのが、得策です。
同様に、スマッシュについても、頂点前を打つのが基本です。ブロックは、打点が遅れるほどむずかしくなります。
このように、頂点前を打つことが、バックブロックのコツです。
ドライブに対しては、回転量に応じてラケットの角度を調整
ドライブをブロックする際のコツは、回転量に応じてラケットの角度を調整することです。
なぜなら、ドライブには「スピードの速いもの」と「回転量の多いもの」の2種類があるからです。
スピードの速いドライブは、ラケットの面を立ててブロックします。
一方、回転量の多いドライブは、被せてブロックします。
強い上回転がかかっているものほど、オーバーミスをしやすいです。なので、面を下に向けて調整します。
こういった回転量の見極めは、練習量や経験によって培われます。根気強く、取り組みましょう。
このように、回転量に応じてラケットの角度を調整することが、ドライブをバックブロックするときのコツです。
打球面の角度を変えない
ブロックのコツは、打球面の角度を変えないことです。これにより、安定します。
ボールを正確に捉えられ、力加減の微調整もしやすくなります。準備で被せておいた打球面を、打ち終わりまで保ちます。
こうすることで、コントロールが良くなります。
このように、打球面の角度を変えないことが、ブロックのコツです。
フリーハンドでバランスをとる
ブロックのコツは、フリーハンド(ラケットを持っていないほうの手)でバランスをとることです。
これにより、相手の強打に負けない体勢を作れます。
ブロックをするときは、フリーハンドを肩くらいの高さにします。この位置で、安定感が桁違いに変わります。
高い位置のほうが、体幹バランスが良くなり、安定してブロックができます。これは、フォアブロック、バックブロックともに有効です。
このように、フリーハンドでバランスをとることが、ブロックのコツです。
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卓球ブロックの練習方法
ここからは、ブロックの練習方法について、解説します。
スマッシュに対する恐怖心を克服する練習方法
まず、スマッシュに対する恐怖心を、克服する練習方法を解説します。恐怖心があると、ブロックをするのは無理です。なので、必ず克服しましょう。
ラケットを持たずに、台の中央に立ちます。
その状態で、練習相手に多球練習で、スマッシュを打ってもらいます。このとき、コートにバウンドするものではなく、顔の横を通るようにします。
強打のスピードと、恐怖心に慣れる訓練です。強く目を閉じないように、平然と立っていられるまで、続けます。
さらに、これを壁の前に立ってやると、恐怖が増すのでより効果的です。
荒療治ですが、一番早く恐怖心を克服できる練習方法です。顔に当たると痛いので、練習相手は腕の確かな人を選びましょう。
以上が、スマッシュに対する恐怖心を、克服する練習方法です。
ランダムコースに打ってもらい、ブロックする練習
次は、ランダムコース(全面)に打ってもらい、それをブロックする練習です。
練習相手に、威力が弱めのスマッシュを、ランダムコースに打ってもらいます。それを、ブロックします。これをラリーで続けます。
まずは、しっかりとボールに反応できるようになりましょう。相手の体の向きや、スイングからコースを読みます。
慣れたら、強打を打ってもらい、ブロックをします。
これが、ランダムコースに打ってもらい、ブロックする練習です。
3球目をランダムに打ってもらい、ブロックする練習
続いて、3球目をランダムに打ってもらい、それをブロックする練習です。
試合では、相手に3球目攻撃で、ドライブを打たれるパターンが一番多いです。なのでこれ想定し、ブロックを練習します。
練習相手に、下回転サーブを、バック側に出してもらいます。それをツッツキで、相手のフォアに返します。
3球目攻撃で、相手にドライブを、ランダムコースに打ってもらいます。それを、ブロックします。
同様に、レシーブのツッツキを、相手のバック側に返して練習します。
どちらのコースから、どこへ打たれてもブロックできるようにします。
以上が、3球目をランダムに打ってもらい、ブロックする練習です。
ランダムにツッツキした3球目を、ランダムに打ってもらいブロックする練習
今度は、ランダムにツッツキした3球目を、ランダムに打ってもらいブロックする練習です。
前述した練習の、レシーブからランダムに打つバージョンです。
練習相手に、下回転サーブを、バック側に出してもらいます。それをツッツキで、ランダムコースに返します。
3球目攻撃で、相手にドライブを、ランダムコースに打ってもらいます。それを、ブロックします。
この練習では、いつ・どちらのコースから、どこへ打たれてもブロックできるようにします。ツッツキをしたコースによって、待ち方が変るので、より実戦的な練習です。
これが、ランダムにツッツキした3球目を、ランダムに打ってもらいブロックする練習です。
高速ピッチでランダム多球練習
そして、高速ピッチで、ランダム多球練習をする方法です。反応が早くなるので、おすすめです。
多球練習で、相手に高速ピッチで、ボールを出してもらいます。
「ピッチ」とは、ボールを出す「間隔」のことです。ボール自体のスピードが速いのではなく、ボールを出す間隔が短いことが重要です。
ランダムコースに連続で、軽めのスマッシュを打ってもらい、それをブロックします。
以上が、高速ピッチでランダム多球練習をする方法です。
普段のメニューでブロックを練習する方法
最後に、普段のメニューの中で、ブロックを練習する方法です。相手のフットワークや切り替え練習のときは、ブロックができるチャンスと捉えましょう。
このときに意識するのは、「相手が打ちやすいようにブロックをする」ことです。常に同じスピードや、球質でブロックすることを心掛けます。
思い通りのブロックができるようになることが、コースを狙ったり、カウンターブロックで強く返したりすることにも通じます。
このように、相手の練習であっても、自分に課題を課して取り組むことで、技術の向上につながります。
これが、普段のメニューでブロックを練習する方法です。
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まとめ
ここまで、バックブロックのコツや練習方法について、解説しました。
ブロックはむずかしい技術で、コツもたくさんあります。しかし、1つを実践すると、いくつか一緒にできる場合もあります。必須技術なので、諦めずに地道に取り組んでくださいね。
また、卓球は攻撃的な技術よりも、ブロックなどの守備的な技術から習得していくほうが、上達が早いです。なので、まずは守備力を高めていくように、努めましょう。
最後までお読みくださり、ありがとうございました!!
あなたの卓球ライフを応援しています♪♪
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